2014年01月09日

草やさんの御馳走(前編)。

馬路村を後にして、一路高知市内へ。今夜はリオネルさんお氣に入りの”草や”さんで夕食会です。草やさんは市内中心部のさらに中心部、高知城下にある高知県庁から南へ歩いて3分ほどのところにあります。

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草やさんの玄関。いつもはお昼ご飯を食べに来るのですが、夜のご飯は初めて!


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まずはお通し。左側はこんにゃくとセロリのきんぴら。こんにゃくの食感が面白く、セロリが苦手なわたしでも違和感なく美味しく食べられる絶妙な味加減でした。右はねぎの”ぬた”。こどもの頃はぬたが大嫌いやったけど、今ではすっかり大好きになりました(^-^)。ぬたについてはいつか改めて。

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リオネルさんが是非にとお願いしていた鰹のタタキのデモンストレーション。草やのお庭でドラム缶に藁をくべて焼いてくださいました。夜だと炎がとっても綺麗!


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真剣な面持ちで鰹の焼け具合を見つめる店主の和田さん。


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見るからに美味しそうな焼き加減!!


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少しでもぬくぬくの状態で食べられるようにと、迅速な手さばきでタタキを切っていきます。


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うわ~、早く食べたい!!はやる氣持ちをおさえながら調理を見つめます。


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この日のツマは千切りではなくいちょう切りにした色鮮やかな大根。その上にタタキを並べ・・・。


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薬味のネギ、ニンニク、ミョウガを添えます。さらにこの時期珍しい”小夏”をしぼりかけて。


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最後に特製ポン酢をかけて完成。随所に草やさんの真心が光るタタキを前に自分でもびっくりするほど優しい笑顔に(^-^)。


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写真では伝えきれないのが残念ですが、外はしっかり香ばしくそれでいて中は鮮やかなレア。

このタタキがね~~~、それはもう絶品でした!!焼いた藁独特の香り、程よく脂がのった鰹、その鰹の旨味に花を添える小夏の酸味、添えられた薬味それぞれの持ち味、それらを一つにまとめあげるがごとく鰹にからんだポン酢のバランス・・・すべてが素晴らしく調和しているのです。

また特筆すべきは、タタキを食べつくした後それらの美味しさが混然一体となって溶け込んだポン酢に軽く漬けこまれた状態のツマのいちょう切り大根の美味しさ!これは千切り大根では味わえなかったと思います。メインのタタキの美味しさもさることながら、その後にこんな嬉しい余韻を楽しめるなんて・・・。そういった細やかなところまで氣を抜かない、それでいて自らその工夫を饒舌に語ることもない、その謙虚さ。ただただ”あっぱれ!”なのです。和田さん、恐るべし☆深く感動している間にも次々にお料理が。

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草やさん名物のバーニャカウダでいただく高知の新鮮野菜。彩り鮮やかで目にも美味しい♪


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厨房に入った時に目にして思わずリクエストしてしまった生牡蠣。


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肉厚でぷっくりジューシー。海のミルクをレモン風味で爽やかに楽しみました。


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タタキと並ぶメイン級のカワハギのしゃぶしゃぶ。

まずはそのままお刺身を自家製ポン酢でいただき最初の感動☆お次は添えられた肝をからめてポン酢でいただき2度目の感動☆☆さらに鍋にはられただしにさっとくぐらせて軽く火を通してから肝をからめ、ポン酢でいただき3度目の感動☆☆☆くぅ~~~、心憎い感動の連続!

そして再度特筆すべきは添えられていた春菊の美味しさ★わたしセロリや春菊といった香りのきつい野菜は苦手なんですが、このだしにくぐらせていただく春菊は素晴らしかった!わたしだけじゃなくほかのみんなも感激して大絶賛!!あまりの驚嘆ぶりに、フランス人のリオネルさんは「春菊であれだけ美味しいって感動する日本人、面白いね~。」とのご感想。

だってね。カワハギの美味しさははなから期待してるわけですよ。で、食べたらやっぱり美味しいし、十分期待値以上なわけです。でも添えられた春菊は全く期待していない。ああ、野菜で彩りと箸休めね、くらいの感覚で何気なく食べる。そしたら・・・想像をはるかに超える美味しさなわけですよ、これが。

タタキにしてもしゃぶしゃぶにしても、メインの美味しさにとどまらず添えられたいわばツマもの野菜までもがめちゃくちゃ美味しいんです!それってね、料理をきちんとトータルで考えてるってことだし、主役だけでなく脇役にまでもしっかり手を抜かずに心配りをしてるってことでしょ?

そして脇役が美味しければ、最後まで残さずしっかりといただけます。それって料理してくださった和田さんはもちろんのこと、その食材を育ててくださった方に対しても食べ手が敬意を表わせる素晴らしいことなわけですよ。

御馳走の語源ってご存知ですか?「馳走」とは本来「走り回ること」「奔走すること」という意味です。昔は大切なお客様のお食事を用意するために馬を走らせてあちこち駆け巡って食材を集めていました。そしてそこにはそれほどまでしてでもお客様をおもてなししてさしあげたいという想いがこめられていました。そんな「馳走」に感謝の意味で「御」と「様」がついたお礼の言葉が「御馳走様」です。

和田さんの奥さまからお聞きしたのですが、わたしたちのためにわざわざお庭でタタキを作ろうと、チキンガレージさんというお店でドラム缶を譲り受け、せっかくのお正月休みに2時間がかりでご自身で汗をかいてのこぎりで切ってくださったそうです。

ドラム缶以外にも、たくさんの方から無農薬の藁など様々な情報を提供してもらい、いろんな方のご協力のもとで実現した最高のタタキだったのです。でも料理人の和田さんご自身はそんなこと一言も自分からおっしゃらない・・・。

わたしたちがいただいたのは、本当に本当に「御馳走」なのです。そしてその御馳走に宿るのはまぎれもなく、日本人の本当のおもてなしの真心なのです。

だからこそ、お願いがあります。

どうかそんな草やさんの心づくしのお料理を存分に味わって食べてください。和田さんは料理人として最後の一口まで美味しく食べられるように様々な創意工夫をなさっています。それは自分の腕を見せつけるためではなく、その日の料理に関わられたすべての人、そして食材を生みだしてくれた自然と風土への心からの感謝の現れであり、時間を作って草やにわざわざ足を運んでくれたお客様への真心そのものです。

その真心を、食べる側のわたしたちもしっかりと真心で受け止め、最後まで美味しくいただくこと。それが一番の敬意だと思います。

もちろん体調不良だったりおなかがあまりすいていなかったり、どうしても苦手なものや口に合わないものがある場合にまで無理をしろとはいいませんが、草やさんでお料理をいただくとわかっているならばぜひできるだけ万全の態勢で食事に臨んでください。存分に御馳走を五感で味わいつくしてご堪能ください。

外食がすっかり”産業”となってしまった今となっては、本来の「御馳走」をいただける料理屋さんはとても少なくなりました。料理人にとって一番悲しいこと、それはせっかくの馳走が手つかずで残されることです。お酒をメインで楽しまれる方が料理にほとんど手をつけないで残してしまうのを何度も何度も高知の宴席で目にしました。それを見る度にとてもやりきれなくて、もともと下戸であるわたしはめったに宴席に参加しなくなりました。お酒を楽しみたいのであれば、どうか料理メインのお店ではなくお酒メインのお店を選んで、食べきれるくらいのおつまみとともにお楽しみください。それだけでたくさんの料理を無駄に捨てずにすみます。

目の前に出された一皿の料理。それが卓上にのぼるまでにどれだけの人の労力がかけられていることか。どうか想像してみてください。その中にはあなたの大切なご家族やお友達もいるかもしれません。何かの形であなた自身が関わられていることだってあるでしょう。

ともにお酒を酌み交わす人とのひとときはもちろん大事ですが、一皿の料理の影にいるたくさんの人の存在も、ほんの少しでも思い遣ってほしいのです。

料理をいただくことは、命をいただくこと。その命とは、食材だけではなくそこに関わられたすべての尊い命のことです。どうか、その命を大切にしてください。その命があなたの命を支えています。「御馳走様」という言葉に込められた感謝の氣持ちこそが、わたしたち日本人が世界に誇るべき大切な真心です。

・・・思わず熱くなってしまったので、今日はここまでにいたしますが、草やさんの魅力はまだまだ後編に続きますよ~♪
posted by エイネ at 23:47| Comment(2) | 食を楽しむ | 更新情報をチェックする

馬路村へ。

今日は東京在住歴29年のフランス人・リオネルさんとともに馬路村へ。馬路村は高知市内から東へ、車で2時間ほど離れた村です。リオネルさんとともに今年11月にヨーロッパの食のプロに向けて高知の柑橘を紹介するツアーを企画していて、その内容決めで訪問しました。

馬路村は人口1000人ほどの小さな村ですが、ゆず産業で年間30億円を稼いでいます。といってもそこに至るまでには並々ならぬ苦労があったわけで。その一部がこちらで紹介されています。

わたしはおととしから定期的にこの馬路村で発酵料理教室を開催させていただいており、とても親しみを抱いています。教室に毎回のように参加してくださるお母さん方の元氣な笑顔にお会いする度に、なんだかふるさとに帰って来たようなあったかさと安らぎを感じるのです(^-^)。

今日は馬路村きってのやり手”好夢員(こうむいん)”木下彰二さんにご協力いただいて村の中を案内していただきました。

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ひとなつっこい笑顔が魅力の彰二さん。


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まずは腹ごしらえから。

村民の胃袋を支えるやまなみ食堂にてボリュームたっぷりのオムライスをオーダー☆「東京の2倍のサイズだよ!」とリオネルさんも驚かれていました。リオネルさんが小盛りで頼んだ中華半のボリュームもゆうに1.2人前くらいはありましたね~(笑)。お昼をいただきながらお互いの自己紹介や今企画していることを話し、すっかり打ち解けたところでいざ出発。

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この日は残念ながらお正月の振り替え休業だった馬路温泉。敷地内にある村の案内看板をパチリ☆


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今の季節でもまだ柚子は木に残っていました。樹上で完熟した柚子はとても甘くなるそうです。


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村を流れる美しい安田川。天然のアユやウナギも生息しています。


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馬路村農協のゆずの森加工場へ。ゆず加工品の注文を受け、スタッフさんたちが荷造りをしていました。


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加工場の案内図、人気ドリンク”ごっくん馬路村”もここで製造されています。


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ゆずの収穫に必要な道具たちの展示も。とげのある柚子の収穫には防御対策が大事!

工場を回りながら彰二さんに聞いた話では、ゆずの加工関連で人口1000人のうち300人の雇用を実現しているのだそうです。この加工場がなければ、村の中に働く場所がなければ、過疎の村の人口はどんどん外に流出してしまいます。村が存続していく上でゆず産業は大きな役割を果たしているのだなあと痛感しながら、ここに至るまでの苦難の道のりを推し量ったことでした。馬路村の村おこしについてはいろんな媒体で紹介されていますので、調べてみてくださいね。


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馬路村を後にして高知市内に向かう途中に見える芸西の琴ヶ浜の海岸線。

彰二さんのアテンドのおかげで馬路村でどんなことを体験するかのイメージがつかめました。11月のツアー開催に向けて、いろいろ準備していきますね!

◆馬路村農協のホームページ:こちらでネットショッピングもできますが、ぜひ一度は村に直接行ってみてください♪
◆柚子の花言葉:「健康美」「恋のためいき」
◆今回の馬路村訪問で得た喜び:今まで以上に馬路村のことを大好きになった喜び

★★★ 地元エキスパートさんとともに巡る馬路村、エイネ♪ ★★★

posted by エイネ at 21:42| Comment(0) | 遠出を楽しむ。 | 更新情報をチェックする
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